Vercelがエージェントプラグインを発表。スキルが今後重要になっていく。
スクエニが4年半ぶりに増収増益へ。
どうも、Fujinです。
今日はゲーム業界のビッグニュースを取り上げます。スクウェア・エニックスが、4年半ぶりに四半期決算で増収増益を達成しました。売上は32%増、営業利益は88%増と、かなり景気のいい数字が並んでいます。
このニュース、「へえ、良かったね」で終わらせるのはもったいないんですよ。数字の裏側を見ていくと、いまゲーム業界で起きている地殻変動と、AI時代にゲーム開発がどう変わっていくのかが見えてきます。
あわせて、AI界隈で話題になっているVercelの標準規格の話にも触れていきます。ゲームの話ではありますが、後半はAI時代のものづくり全般に関わる話になるので、ゲームに興味がない人もぜひ最後まで読んでみてください。それでは、いきましょう。
Vercelがエージェントプラグインを発表
まずはAI界隈のニュースからです。Vercelが、AIエージェントの拡張機能をパッケージ化する標準規格エージェントプラグインを発表しました。
Vercelというのは、ウェブサイトをインターネット上に公開するためのデプロイサービスなどを提供している会社です。ウェブ開発をやっている人なら誰でも知っている大手ですね。
このエージェントプラグインをざっくり説明すると、MCPやエージェントスキルといったAIエージェントの拡張の仕組みを、ひとつにまとめてパッケージ化するための規格です。MCPはAIと外部ツールをつなぐ規格、エージェントスキルはAIに手順書を渡して特定の作業をこなさせる仕組みだと思ってください。すでにCodexやVS Codeなどが対応しています。
Codexにはもともと、MCPやスキルをまとめるプラグインという仕組みがありました。僕も結構便利だなと思って使っているんですが、あの発想を業界標準にしようという動きだと理解するとわかりやすいと思います。
使う側のメリットもわかりやすいです。いまはMCPの設定やスキルの導入を、ツールごとに個別でやる必要があります。ここがパッケージとしてまとまれば、便利な構成をまるごと配布したり導入したりできるようになる。エコシステムとしてはかなり筋のいい話です。
AIエージェント界隈は、いままさに規格の整備フェーズに入っています。この段階で主導権を取った企業が後々まで強いので、各社の動きが激しくなっているんですよね。
参加企業の顔ぶれとAnthropicの不在
この規格の策定には、OpenAI、Amazon、Cursor、Microsoftといった大手が参加しています。OpenClawなどのAIエージェントも対応を表明していますね。
一方で、Anthropicはここに参加していません。Claude Codeもエージェントプラグインには対応していない状況です。
ここが面白いところで、MCPもエージェントスキルも、もともとはClaudeを開発しているAnthropicが作った規格なんですよ。自分たちが生み出した仕組みを他社主導でパッケージ化される動きに対して、「それ、まとめなくてよくない?」というスタンスなのかなと僕は見ています。MCPとエージェントスキルはそれぞれ役割が違う仕組みなので、別々に進化させたいという考え方も理解はできます。
競合であるOpenAIががっつり参加していることも、距離を置く理由のひとつかもしれません。AIエージェントの規格を誰が握るのか。この主導権争いは、今後のAI業界を見るうえで重要なポイントになると思います。
報道がAIに追いついていない問題
このニュースに関して、ひとつ気になることがありました。ITmediaの記事で「AIエージェントのスキルなどが標準規格化。CodexやVS Codeなどに対応、Claudeは未対応」という趣旨のタイトルが付いていたんです。
いやいや、と。いま説明したとおり、エージェントスキルはClaudeを作ったAnthropic自身が生み出した規格ですからね。「Claudeは未対応」という書き方は、構造をわかっていないとしか思えないんですよ。
多分これ、人間が書いてるんですよね。AIだったらこういうタイトルは書かない。Fable 5がこんなタイトルを出してきたら「マジかお前」となりますが、まずあり得ません。実際、現在は記事に修正が入って、MCPなどをまとめる規格の標準化という表現になっています。
AIの進化スピードに、報道する側の理解が追いついていない。こういう場面はこれからも増えていくと思うので、一次情報を自分で確認する習慣がますます大事になりますね。
逆に言うと、AIの動きを正確にわかりやすく伝えられる人の価値は上がり続けます。専門メディアですらこの状態なわけですから、発信者にとってはチャンスでもあるわけです。
スクエニが4年半ぶりの増収増益
さて、ここからが今日の本題です。スクウェア・エニックスが第1四半期決算を発表し、増収増益を達成しました。
スクエニといえば、ファイナルファンタジーやドラゴンクエストを抱える日本の超大手ゲーム会社です。そのスクエニが四半期決算で増収増益を達成したのは2022年3月期の第3四半期以来、およそ4年半ぶりになります。
4年半ですよ。ちょうどWeb3が盛り上がり始めた頃から、ずっと増収増益がなかったわけです。あれからもう4年経っているんだなというのも、なかなか感慨深いものがありますね。
スクエニはWeb3の時代にもがっつりチャレンジしてきた会社で、僕もいろいろと関係性があってずっと応援してきたので、この復活は素直に嬉しいです。
数字を見ると絶好調
具体的な数字を見ていきましょう。
売上高→32%増の784億円
営業利益→88%増の170億円
経常利益→172%増の187億円
めちゃくちゃ増えてますよね。特に経常利益の172%増はインパクトがあります。増収増益といっても小幅なものではなく、文句なしの絶好調スタートです。
ちなみに増収増益というのは、売上と利益の両方が前年から増えている状態のことです。売上だけ増えて利益が減るパターンはよくありますが、両方揃うのは事業が本当に上向いているサインなんですよね。
牽引したのは新作タイトルです。ファイナルファンタジーの新しいリバース系シリーズが売上好調で、冒険家エリオットの千年物語といった新作も発売されました。シリーズの資産と新作がかみ合って、数字を押し上げた形です。
惜しかったのはリリースタイミング
ただ、この冒険家エリオットの千年物語、注目はされていたんですがリリースタイミングが悪かったんですよ。発売時期が、あのめっちゃカメレオンと被っていたんです。
めっちゃカメレオンは単体で100億円規模を稼いでいるタイトルです。しかも開発は2人。
ここ、冷静に考えるとすごい話です。スクエニの第1四半期の売上高が784億円。つまり2人で作ったゲームが、超大手ゲーム会社の四半期売上の10%以上に相当する金額を稼いでいるわけです。
やばくないですか。この四半期は、めっちゃカメレオンが最強だったと言っていいと思います。ゲーム業界の構造が変わりつつあることを、これほどわかりやすく示す事例はなかなかありません。
もちろんスクエニのタイトルは開発規模も宣伝規模もまるで違うので、単純比較はできません。ただ、少人数チームのゲームが大手の看板タイトルとリリース時期でぶつかって話題を食い合う。この構図自体が、少し前までは考えられなかったことなんですよ。
投資マネーも動いている
もうひとつ、スクエニ周りでは株式の動きもありました。シンガポール系の投資ファンドがスクエニ株を買い増ししています。
投資ファンドが買い増しをするというのは、今後の成長に賭けているということです。ゲーム会社の株は新作のヒットで大きく動くので、業績面でいいスタートを切ったいまのスクエニは、投資対象としても注目されやすいタイミングなんだと思います。
今後はファイナルファンタジーシリーズやドラゴンクエストシリーズの新作も控えているということなので、今年のスクエニはどんどん盛り上がっていくかもしれません。
AI時代こそゲーム開発が加速する
で、なぜAI発信をしている僕がここまでゲームの話をするのかというと、AI時代こそゲーム業界が大事だと思っているからです。
もともと僕はゲームの話をがっつり発信していた人間です。そしてこれからは、AIによってゲーム開発がどんどん加速していきます。
ゲーム開発は、プログラム、グラフィック、サウンド、シナリオと、複数の専門領域が絡み合うものづくりです。だからこそ、これまでは大人数と大予算が必要でした。AIはこの前提を壊しにきています。コードも絵も音もAIで作れる範囲が広がっている以上、開発のスピードとコストの常識は確実に書き換わっていきます。
めっちゃカメレオンのような少人数開発のヒットは、AIの支援によってさらに生まれやすくなるはずです。2人で100億円という事例がすでにあるわけですから、AIを使いこなす個人や小規模チームが大手と戦える時代は、もう目の前まで来ています。
大手にとっても、これは同じです。高騰し続けてきた大型タイトルの開発費にAIが効いてくれば、利益構造はさらに改善していきます。スクエニの復活とAIの進化が重なるこのタイミングは、業界の転換点として面白いところです。
情報感度がゲームを作りやすくする
そこで重要になるのが情報感度です。今何が人気なのかをしっかりリサーチできていると、ゲームは圧倒的に作りやすくなるんですよ。
売れているタイトルの決算を追う。話題作のヒット要因を分解する。こうした情報の仕入れが、そのまま企画の精度につながります。逆にここを怠ると、どれだけ開発力があってもニーズのないものを作ってしまうわけです。
ゲームは特にこの傾向が強いジャンルです。プレイヤーの熱がどこにあるのか、どんな体験が求められているのか。ここを外すと、技術的にすごいものを作っても遊ばれません。逆にここを掴めていれば、小さなチームでもめっちゃカメレオンのようなヒットを狙えるわけです。
面白いのは、この情報収集自体もAIで効率化できることです。決算資料を読ませて要点をまとめる。SNSの反応を分析させる。こういう使い方ができる人から、企画の精度が上がっていくわけです。
僕自身、ゲーム関連の情報もまた発信していこうと思っています。AIの情報とあわせて、ポッドキャストなどでゲーム業界の動きも共有していくつもりです。
まとめ
今日の内容をまとめます。
VercelがエージェントプラグインというAIエージェントの標準規格を発表、OpenAIやMicrosoftなどが参加
MCPもエージェントスキルも作ったAnthropicは不参加で、規格の主導権争いが起きている
スクエニが4年半ぶりに増収増益、売上784億円、営業利益88%増の絶好調スタート
2人開発のめっちゃカメレオンが、スクエニ四半期売上の10%超に相当する規模を稼いでいる
AI時代はゲーム開発が加速し、情報感度がそのまま武器になる
大手ゲーム会社の復活劇と、個人開発の台頭。この2つが同時に起きているのが、いまのゲーム業界の面白さです。AIという追い風をどう使うか、引き続き追いかけていきます。
ということで、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。
また次回の放送でお会いしましょう。じゃあね!






